夢追い人の凱旋

「楽しい!」をください。

N.M.P.と闇故の色彩に染まる。

このブログはキリスト教の聖書などの情報を基に書いている部分があります。ですが私はキリスト教について無知であり、情報もネットで調べたものです。そこから自分なりに解釈しているので信仰していらっしゃる方など、不快感を覚えるとお思いの方はページを閉じる事を強くおすすめ致します。御手数をお掛け致します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お世話になっております、ちくたくです。

先日の少クラ(3/8)で披露されたSixTONESによるKAT-TUNのN.M.P.。最高だった。本当に最高だった。「最高」って言葉が陳腐で脆弱に感じるほど素晴らしかった。やっぱりSixTONESさんの薄暗いパフォーマンスは惹き付けられるし、バックボーンを想像したくなってしまいます。

 

のでしました!!!!!わーーーーい!!!!

ですが今回はしっかりとしたダンスが決まっていたので視線や辛うじて在る自由な部分しか6人の違いが出る場所がなかったのが正直なところです。なので曲自体や照明の色などからも色々考えてます。そして私の着色が大変激しいです。まずは曲の解釈をするところからだったのでそこから書いていきます。なのでもしKAT-TUNから来られた方がいらっしゃいましたら、それだけでも楽しんでいただければと思います。(解釈というか歌詞を基にした創作みたいになってしまいました)

 

 

さっそくいきます!

 

曲の第一印象は「キリスト教っぽい曲だな」でした。最初の歌詞から”WHERE IS HEAVEN?”ですからね。あながち、というかその印象で間違いないのだと思っています。ここからは私が違和感を覚えた順に歌詞の考察をやっていきます。説明しやすいようにこの曲の主人公を「青年」と記します。

私が引っかかったのはまずここ。

”愛は何で 光だけを魅せて

あなたを奪うの?”

 「見せて」ではなく「魅せて」。仮に「見せて」だった場合、愛はどうして光の様な良い面だけ見せてあなたを奪い去ってしまうの?と解釈出来ます。あなたは愛に騙され奪われてしまう、つまりあなたは青年から離れる意思は無かった。愛し合っていたのであれば青年の為を思って愛故に起こした行動が原因であなたは何らかの不運不幸問題に巻き込まれてしまう。そんなイメージを持ちます。

ですがここでは「魅せて」なんです。「光だけを魅せる」って一体どういう事なんでしょう?「魅せる」とは「魅了する」「惹きつける」「見惚れさせる」のような「心を掴み引き付ける事」を言います。「見せる」だった場合に抱くイメージに当てはめると「光の様な良い面だけを魅了する」となってしまいます。これは間違いなく不正解でしょう。ここで、「光」の解釈を「正義」から「己を照らすもの」に変えてみます。すると浮上してくるのが「あなた」です。青年にとってあなたは光り輝く太陽のような存在だったとしたら「光」と表現されている事にも納得がいきます。

まずは「愛はどうして、あなただけを魅了して、奪い去ってしまうの?」となります。

次に「愛」です。キリスト教における愛とは「無償の愛」「不朽の愛」。無償の愛とは「代償を欲しない、利益の基に発生しているものではない愛」「自分が被害をこうむる形になったとしても構わない愛情」ではないでしょうか。そんな愛に対して青年は「どうしてあなたを奪うの?」と問いかけています。つまり青年は無償の愛にあなたを奪われている。

 

最終的な解釈としては

「”無償の愛”はなぜあなただけを魅了して、僕からあなたを奪ってしまうの?」

となります。青年からあなたを奪う無償の愛とは一体何か。第三者からの無償の愛であればあなたという代価が必要になっている時点で「無償の愛」とは言えません。そうなれば答えはひとつ。青年に対し無償の愛を注いだのは「あなた」であり、青年への愛故に「あなた」は何らかの被害をこうむり青年の前から姿を消してしまう。

そして、あなたの無償の愛の先にある結果が青年には無価値に思える上、あなたがこうむった被害が耐え難い事だったのではないでしょうか。だからあなた「だけ」魅せる。

 

 

次に「NO PAIN」と「NO MORE PAIN」の違いです。

タイトルに使われているのは「NO MORE ~」の方ですね。意味は「これ以上~無い」「~はもう限界だ/たくさんだ」です。「NO ~」は「~はない」となります。

大して大きな意味の違い無いのですが、気になった理由は歌われる順番にありました。

「NO PAIN」と歌った後に「PAINFUL WORLD」に翻弄され、「NO MORE PAIN」と嘆く。何が言いたいかというと「苦痛は無い」と言ったのになぜ「痛ましい世界」に翻弄されてしまうのか。「これ以上の苦痛はもうたくさんだ」という事は痛みを感じていたのか。簡単に言うと矛盾が生じてしまうのです。この矛盾を解消するとするならば、サビの始まりで歌われる「NO PAIN」はその後の「PAINFUL WORLD」「NO MORE PAIN」と別のpainつまり別の苦しみなのではないかと考えました。

その別の苦しみはもうちょっと下でお話したいと思います。

 

 次は

”ねえ 教えてよ この痛み癒すの 涙じゃなく
消えそうに 繰り返す儚い 渇いた明日だけ?”

「渇いた明日」。渇いているという事は「潤いが無い」という事。潤いが無い明日となると「生きる活力がない」「張り合いが無い」「楽しみが無い」といったイメージが浮かびます。ジリジリと燃える灼熱のサバンナのように何をどう頑張っても全て虚しい足掻きであり潤いを得る事は不可能に近いような絶望感を感じるのです。でも不確定であるはずの「明日」が来る事は知っている。そしてその前にある言葉が「消えそうに繰り返す儚い」なんです。「儚い」は「淡くて今にもきえてしまいそうな様」を言います。淡くて今にも消えてしまいそうなら明日の確証なんて無いはずですよね?こうなると青年本人がどれほど消えそうになっても日々が繰り返される事、「明日」が来る事は確定事項なんでしょうか。

そんな「明日」は青年にとって涙に代わる存在である。ここでも青年は痛みを感じています。その痛みを癒してくれるのは「明日」だけなの?と青年は誰かに問いかけています。「ねえ教えてよ」ですから青年が答えを懇願していると言えるでしょう。青年はきっと「涙」に傷を癒してもらいたい。しかしそれは許されず、ただ繰り返しやってくる「明日」にのみ癒してもらうしかない現状にある。

普通、傷を負えば「明日」がやってくる事が希望のひとつになりえるのではないかと思うのですが、青年にとって「明日」はそんな光に満ちたものではない。「明日」なんてどうでもいいから「涙」が欲しいと言わんばかりなんですよね。

ではその「涙」が意味するのは何か。聖書にはこんな一節があります。「イエスは涙を流された。」。イエスは人々が大切な人の死を前には成す術が無く、ただ涙を流すしかないという現状を見て涙を流します。死という逃れられないものと直面し、それによって押し寄せる悲しみの前には涙を流すしかない人々をイエスは想い涙を流す。その涙はきっと人々に寄り添い共に悲しみを感じてくださるという神による人間の心への加護だと思うのです。「涙」は神のご加護である。であるならば、それを強く欲する青年は神のご加護を得られる存在ではないと嘆いているのでしょうか。そしてもうひとつ。神と人間の関係性として「人間は神を模って作られた」「土の器に神が息を吹きかけ人間をお作りになった」というのがあります。人間は他の生物とは異なり神にとって愛すべき存在であると言えるし、人間は神に愛されていると解釈出来る。人間であれば無条件で神は涙どころか無償の愛をくださるでしょう。

しかし青年はそうではないと嘆く。それはなぜか。

私は「化け物に成り果てた」と考えます。簡単に死ねないおぞましい化け物に。

何か切欠があって青年は化け物と契約を交わし新たな身体を手に入れる。そこにどんな理由があろうと、たとえどれほどの善行を積もうと、おぞましい化け物に魂を売ったのだとすれば神がお許しになる日は、神に愛される日は文字通り永遠に訪れないでしょう。

 

ですがここで新たに疑問が浮かびました。「化け物との契約の代償は何か?」という事です。無償の愛を象徴する神と対極に位置するであろう化け物が何も要求する事もなく青年に力を与えるわけがないのです。では代償は一体何か。

もし。青年に死が近づいていたとして。その命を繋ぎ止めるのが化け物との契約しかなかったとして。それを「あなた」が知った時「あなた」は無償の愛をもって、何を成すでしょうか。青年を生かす事が出来る、けれど代償を寄越せと言われたとしたら。「あなた」は何を差し出すでしょうか。無償の愛とは即ち己の犠牲を鑑みない救済を指します。そして青年は「あなた」を奪われてしまう。

化け物に成り果てた青年はもう「あなた」に触れてもらう事も、認めてもらう事も出来ないのだとしたら。せめて空の上から見ていてほしいという願いだったのなら、答えはひとつに絞られてきます。

 

 

先ほど保留にしていた「PAIN」のくだり。painは痛み、苦しみ、苦痛という意味を持ちます。ではまず「PAINFUL WORLD」におけるpain。ここは生きる上での精神的な苦痛を指していると考えました。例えば死との直面、貧困、トラウマ、己の卑しさおぞましさ、所謂精神的ストレスがここのpainです。

 次に「NO MORE PAIN」。ここでのpainも精神的ストレスです。「これ以上の苦しみはもう必要ない」と宣言しているように感じました。今現在青年は苦しみの中に居るけれど、それを断ち切る。もしくは苦しめている対象へ戦いを挑む。そんなイメージです。

 

そして私が引っかかった「NO PAIN」。このpainは「物理的な痛み」ではないでしょうか。「怪我した場所が痛い」というのは心が感じるものではなく、脳が警告アラームとして発信しているものです。脆くなっている部分を自覚させ、酷使させないようにする事で少しでも死を遠ざけようとしているのです。そんな警告アラームとしての「痛み」は死がある者にしか必要無い。青年はもう心臓を握りつぶされでもしない限り死ねないとしたら。

生物は何億年もの間、進化を続け必要なものを取り入れ、不必要なものは失くしてきました。化け物に死への警告アラームなど必要ありません。それが反映されるのが化け物になってしまった証拠であるなら、サビ冒頭で歌われる「NO PAIN」は自分はもう人間ではないという悲しい遠吠えに聞こえます。

「痛みこそが己が生きている証である」という人も居るほどです。「痛みを感じない」のはきっと想像以上につらい。もしかしたらたとえ心だけでも痛める事の出来る「PAINFUL WORLD」に身を置く事で、その痛みと対峙する事で自分が生きている事を確認しているのかも知れません。

 

私が歌詞で気になったのはこれで以上です。

今までの解釈を前提に聞くとこの曲は、あなたの犠牲と引き換えに新たな命を手に入れた青年が戦う事を決意する曲。ですね。 とんだダークファンタジーになってしまいました笑

 

小さな違和感から色々と想像するのは凄く楽しいです!めっちゃ頭抱えるけど自分の納得のいく解釈に出会えるのが楽しくて仕方ないんですよね…。

もしここまで読んでくださっているハイフンさんがいらっしゃったら、まずはありがとうございました。そしてSixTONESのパフォーマンスも見ていただきたいなぁと思っています。一度調べてみてください!!よろしくお願いします!!!!

 

ここからは少クラで披露されたSixTONESのパフォーマンスを見ながら色々考えていきたいと思います。

 

因みに今文字数が4,500位です。

前回のAFFECTIONはここから書いて1万字いったので、自分でも「どうなることやら!!!」と思っています。お互い心折れずに頑張りましょう!!!!!気持ち切らさないでくださると嬉しいです!!泣いて喜びます!!!!!

 

今回もこのスタンスは崩さないでいきます~↓

偶然とかたまたまとか意味は無いとか、そんな事は重々承知です。「この人はこんな事を思ってたに違いない!」ではなく「この仕草からこう解釈できるな、を集めたら芯が通ったパフォーマンスほど背景を想像できちゃうよね~」って事なのであしからず。

そこに意味を感じてしまったのだから、仕方無いのです。当方、こじつけるの大変得意です。

※説明が上手くないので、パフォーマンスの動画見ながら、それにどっっっっぷり浸りながら読んでいただけると分かりやすいかと思います。

 

あと、 前回はひとりひとりが別の世界戦に存在してそれぞれが曲に合わせて物語を展開している感覚だったのでひとりずつ書いたのですが、今回は6人がひとつの物語の中で絡み合っている印象だったのでシーン毎に書いていこうかと思います。好きな人の所だけ読みたい!って方には超絶不親切設計になると思われます。申し訳ない。あとほんとに私が着色したいように着色しまくっているので「そこにある事象を自分の好きなように屈曲解釈しすぎて最早原型留めてない」みたいなのが苦手な方はご注意ください…!!こねくりまわしてても不純物が入ってないならおっけーよってテンションでお願いします…ほんとすんごい事になってしまったので。重ねてお詫びします。

 

 

 

ではではいきます。

 

まずは真っ赤な世界にひとりたつジェシーくんとそれを囲むように並ぶ5人。

これは単純にジェシーくんが主人公なんだろうな、と感じました。強い信念を持ち、正義感溢れるザ・主人公と言える人物です。それともうひとつ。6人の手首に付いているライトの存在です。曲自体の解釈で得られた「化け物」を前提に考えると、あのライトは「化け物特有の部分」でしょうか。そのライトを慎太郎くん、北斗くん、樹くんは自分の顔に向けているのに対して、きょもくんと高地くんだけが上向きにしています。ジェシーくんは両方とも外に向けていたのをひとつは下ろし、もうひとつは自分の方へぐるりと回します。このライトの向きは化け物の力が「自分が望んだもの」か「不可抗力で得たもの」かの違いかなと思いました。冒頭でライトを自分に向けているという事は「これは自分を照らす為にある」「自分にはこれが必要である」と主張しているようだし、逆に空に向けられた光は「自分を照らす為に得たわけじゃない」と言っているように感じました。そうなると、ジェシーくんは「当初は不必要だと考えていたが、今は間違いなく必要なもの」といった感じでしょうか。

こうなるとまず、6人は全員人間ではない存在であると考える事が出来ます。

 

北斗くん、高地くんのパート。

まずは北斗くんから。北斗くんは片手で顔を照らしていましたが、その手は隙を突いたとばかりに首を鷲掴みます。するとすかさずもう片方のライトが顔を照らす。その時の北斗くんの表情は虚無というか、儚い表情をしています。このまま息の根を止められても本望であるかのように無抵抗なんですよね。北斗くんにとってライト、つまり「化け物特有の部分」は確かに自分を照らす存在であり、それが無くては生きていけない事は自覚しているが、同時に己の首を絞める存在であるといった感じでしょうか。

高地くん。高地くんはライトを左右同じ高さに上げてしっかりと自分を照らしています。ですがその光には興味が無いようにこちらしか見ていません。そしてその目がとても悲しい目をしている。許しを請うような、心の闇がじんわりと滲んでいるような。「不可抗力」でライトを得たのであれば高地くんにはライトで照らしたい誰かがいたのでしょう。自分が化け物になってでも救いたいと思えるような大切な存在が。しかし高地くんの瞳は悲しみに溢れ、救う事の出来た喜びや幸福感は感じません。ですがもし、その救った誰かが救われた事を悔いているとしたら、高地くんが化け物になった事を後悔しているとしたら悲しげな瞳に納得がいきます。自分がした事の成否を問い続けているが、答えが分かるわけもないし自分のこの身体を元に戻す事も出来ない。事実を受け入れ、歩いて行くしかない。そんな諦めの感情を抱きました。

 

次に慎太郎くん、樹くんのパート。

後姿の慎太郎くんは、ピッタリとくっつけた手首を不思議そうに首を傾げながら眺めているように見えます。好奇心を原動力にして純粋に「何これ?すごい」と思っているような。まるでたまたま見つけた綺麗な色のガラスを太陽に透かしているような無邪気さを感じました。でもアップになった時にはもうライトには目もくれていない。慎太郎くんにとっては「化け物特有の部分」は面白いけれどそんなに気に留めるものではないのでしょうか。青年というには少し幼い印象です。

樹くん。樹くんは逆に「やっと手に入れた」と言わんばかりに、そのライトを凝視している印象を受けました。ですがそこにあるのは幸福なイメージではありません。きっと樹くんにとって力を得る事がゴールではない。その先にある何かを成すにはこの力が要る、化け物である必要がある。と言っているように感じました。そしてアップでも樹くんはライトを見つめたまま、ライトが動くままに、その光を追っています。力に翻弄され、自我を失いかけているような、そんな危ない空気なんです。言い換えればそれほどまでに力を欲し、力を得た先にある何かに執着していると言えます。

 

きょもくん。きょもくんは光を追ってゆっくりと立ち上がります。そっと指で掴まえようとしますが、光は簡単にその手をすり抜けきょもくんを翻弄します。ですが焦っている感じは一切しません。悲しんではいてもその光に固執する事も怒りを覚える事もなく、目の前にある「化け物特有の部分」を受け入れようと手を伸ばしているようだと感じました。きょもくんにとって「化け物特有の部分」は忌み嫌うものでも執着するものでもなく、目の前に現れた事実でしかないのでしょう。それを選択するしかない事を悲しんではいるけれど力を得た事に後悔も焦燥もない。

 

最後にジェシーくん。ジェシーくんは堂々とこちらへ歩いてきます。光に翻弄される事も無い、むしろジャケットを正すほど余裕で光を思うままに操っている。他の5人とジェシーくんはこの「ライトの操り力」がまるで違う。この差は何の差か。私の答えはライトと付き合ってきた年月の差です。ジェシーくんはここで「永遠に戦う」と宣言します。永遠は簡単に得られるものじゃないし、いくら化け物と契約しようが流石に元人間が「永遠」を手にするとは考えにくいのです。でもジェシーくんは永遠に戦う。そこから導かれるのは「契約により化け物になったわけではない」という事です。ジェシーくんは元々化け物だった。もしそうなら冒頭で真っ赤な世界でひとり立っていた事にも、ライトを簡単に操っている事に納得がいきます。そして冒頭でライトが外を向いていたのから内側へ回ったのは元々手にしていて考えた事もなかったが、この力は自分が必要としているものだと確信した。といった感じでしょうか。

 

 

サビ。今まで真っ青で幻想的だった景色が”NO PAIN”を合図にして雷のように閃光し、瞬く間に真っ赤な世界へと変わっていきます。「赤の世界」と聞いて良いイメージを持つ人はなかなか居ないのではないでしょうか。しかもこの赤は暗闇に走るどす黒い赤。そう、まるで返り血のような、痛ましい殺人現場のような禍々しい印象を受けます。

そこから連想するのは歌詞の解釈で書いた「青年に死が近づいている」です。そしてそれを知った「あなた」の存在。

ここからは歌詞も込みで解釈していきます。

”I DON'T WANNA LOSE YOU BUT… WHAT A PAINFUL WORLD

迷わないで 幾千の人混みに”

 意味は「君を失いたくはない。でも、なんて痛ましい世界だ。」です。「痛ましい世界だ」という事はつまり「あなたの代わりに被害者となってしまった青年が傷の痛みに呻いている」のではないかと考えましたが、私はこの「PAINFUL WORLD」は精神的な苦痛を指していると考えています。傷の痛みは精神的苦痛ではない。これでは矛盾が生じてしまうのです。なので私は「精神的に追い詰められている状態」だと考えました。惨劇の被害者はあなたであり、青年はあなたを救いたい、もしくは復讐を遂げたいと願います。そして君を失いたくはない。でも現状を脱するにはもう化け物に成り果てるしかない。他に方法はもうない。君を救えない。その追い詰められた状況こそが「PAINFUL WORLD」なのではないかと考えました。

そして続く「迷わないで」。これは自分に言い聞かせているのではないでしょうか。もう手段が無い以上、非道であれそれに縋るしかない。そして迷っている原因が「これからの人間としての生活」であるならば、幾千の何者か知れない他人との営みと今死に直面しているあなたを天秤にかけ、前者に重きを置くというのかと発破をかけられているように感じました。

 

”(YO INNOCENT? GUILTYなCROSS?)”

イノセントは「純真、無垢」「無罪、潔白」といった清い意味もありますが、同時に「無知、単純」といった意味も持ち合わせています。ここの慎太郎くんの表情がとても険しいんです。「無知上等じゃねぇか」みたいな啖呵を切られているような印象です。ギルティは「有罪」「やましい」。クロスは「十字架」「異種交配」動詞では「交わる」という意味もあります。化け物との契約はきっと書面などではなく互いの血をもって成されるのだとすれば、ここは「有罪な異種交配?」それっぽく言うと「罪深き血の契約?」といった感じでしょうか。クエスチョンマークは私の独断と偏見で「だからなんだよ」と訳します。

 

”希望の痛みを 胸に刻む”

 「希望」とは「未来に望みをかけること」。青年の望みは君を失わないですむ世界、あなたが報われる事。それを手に入れる為には化け物に成り果てるしかない。そこで感じる「痛み」は人間の身体から痛みを感じない化け物へと変化をしていく過程での壮絶な痛みでしょうか。それともそんな物に縋らないとならない愚かな自分への強い罪悪感?どちらでも不幸な痛みである事には変わりありません。そしてその痛みを「胸に刻む」。自分が何の為にこの魂を売ったのかを忘れないように。青年の行動の原動力になっているであろうこの事件を忘れる日はきっと人間としての魂が死に絶える日です。

 

”I DON'T WANNA LOSE YOU

BUT… WHAT A PAINFUL WORLD ”

 ここまでどす黒い赤だった世界に白い光が差します。まるで雲が晴れ、希望の光が差すように。ですが後ろは相変わらず暗く不気味な雰囲気が漂ったままだし、6人の身体には赤いライトが当たり続けます。6人はそれぞれ惨劇の舞台から脱しますが、その身体はもう元に戻る事はなく、目の前には暗い道しか広がっていない。道標はただひとつ。己の身に宿った忌まわしい力のみ。下卑た存在に成り下がった自分を受け入れるしかない。それは間違いなく「苦痛に溢れた世界」でしょう。

 

”愛は何で 光だけを魅せて

(YO 下らぬWHAT A PAINFUL WORLD)

あなたを奪うの?”

 薄々お気づきの方もいらっしゃるでしょうか。この物語の人物の関係性は「青年」「あなた」、そしてさっきからちょこちょこ出てきていた「君」の3人で構成されているのです。「奪われたあなた」と「失いたくない君」です。君かあなたかはっきりさせろよと思っていたそこのあなた。実はわざとでした!私も書いててめっちゃ混乱した~!!「君」の存在はここまで来ないと説明出来ないけどその前の段階で「君」を出さないと話が訳分からん事になる!と思った末の愚作の叙述トリック紛いでした~。

さてこんな事はどうでも良いのです。「君」を失くさないように化け物になった青年ですが、「あなた」を救う事は出来なかったと考えています。というより「あなた」の死によって自分に死の危険が近づいている事を知った青年は「君」の事を考え、「あなた」が居なくなった今、「君」を守る事が出来るのは自分しか居ないと気付きます。「君」が生き続ける事が「あなた」への報いになると考えた青年は「君まで失いたくない」と叫ぶのです。

歌詞の解釈である「”無償の愛”はどうして、あなただけを魅了して奪い去ってしまうの?」をここまでの物語に当てはめるなら、無償の愛の姿は「身代わりの死」。青年に襲い掛かるはずだった死神の鎌を「あなた」は身を挺して退けます。ですがその先に待っていたのは「あなた」を自分のせいで失ってしまった深い悲しみだけ。青年はここで初めて「あなた」を失った事を嘆き涙を流します。それまではそれどころではなかったですからね。サビに在る唯一の「哀」の感情です。

その歌詞の間に挟まっているのが「下らぬWHAT A PAINFUL WORLD」です。これは化け物の思考だと思うのです。痛みを必要としない化け物にとって小さな事で痛がる人間は十分滑稽に見えるでしょう。もしかしたらこれは化け物に成り果てた姿で「あなた」への涙を流している自分への盛大な皮肉なのかもしれません。

 

”NO-NO-NO MORE PAIN”

 これは間違いなく決別の挨拶です。「もうたくさんだ」そう言ったところで胸に巣食う痛みが無くなる事はないでしょうが、覚悟を決める事は出来ます。あなたを失った痛みをずっと抱きしめて涙を流し続ける訳にはいかない。強くなるしかない。そんな瀬戸際の執念を感じました。

 

 

このサビが物語の主軸です。6人はそれぞれに「あなた」との別れ、「君」への慈しみを有しています。ここからはそれが一体誰なのかを考えていきます。

 

 

ジェシーくん

ジェシーくんは元々化け物である。と既に仮定しています。そうなると彼の周りも化け物なわけで、簡単に死による決別はしないんです。その前にこの物語の舞台は人間の世界だと思っています。そもそもその人間の世界に化け物であるジェシーくんが居るのはなぜか。そしてジェシーくんにとっての「あなた」は誰か。このふたつを同時に解決するとしたら、「あなた」は「人間の母親」でしょうか。”永遠に戦うこの姿 瞳で受け止めて”を歌うジェシーくんの歌声は柔らかく高潔です。瞳の持ち主はそんな歌声に似合う慈悲深い愛でジェシーくんを見つめている人物だとするなら、母親が一番当てはまります。そして化け物といえどジェシーくんは実は半分人間であり、母親の居る人間の世界で暮らしていたとしたら5人と出会う事が出来ます。そこから「君」の存在も思い当たります。「君」の存在は「人間の世界を愛している自分」です。ジェシーくんはきっと人間として育てられた。「人間だと思い込まされてきた」というよりは「人間と共に生き共存する事を望んでいた」という感じです。人ならざる力はふたりの秘密だった。でも化け物は化け物なわけですから他の子とは違う性質に苦しめられてきたと思うんです。それでも、今まではどれほどつらい目に遭おうと母親に子守唄のように「怖くない」と慰めてもらっていたとしたら、「人間の世界を愛している自分」は2人の間にある絆のようなものになっているのだと思うのです。そんな折に母親は自分を守ったが為に殺されてしまう。もし、ジェシーくんの父親が強い力を持っていて、受け継がれたその力欲しさに命を狙われるとしたら、魔の手から逃れる為に人間の世界で暮らしていたにも関わらず起きてしまった悲劇だとしたら。そうなれば化け物であるはずのジェシーくんが戦う事を決意するのにも、人間として生きる事を諦め化け物の力を使う決心をした事にも、全てに合点がいきます。

無条件に優しい言葉をかけてくれる人はもう居ない。その事実に嘆き悲しみながらも、母親と暮らしたこの世界を嫌いになりたくはない。失いたくない。そんな葛藤の末にジェシーくんは志を同じとする誰かを求めて旅に出ます。

 

樹くんと慎太郎くん

 ふたりは「あなた」に対して祈っている。でもその祈りは届く事はなかった。その先に待っているのが「あなたの死」であるなら、その祈りは「無茶はしないで」とか「遠くには行かないで」「死なないで」みたいな心配からくる祈りなのだと思います。

しかしそんなか弱い願いと反してふたりの表情に見えるのは「悲しみ」というよりは「怒り」。この世界を愛おしく思っているのではなく恨んでいる。「あなた」を奪われただけでなく怒りを覚えるほどの何かがあったのでしょうか。

次に”朽ち果てた 十字架”です。「朽ち果てる」の意味は「腐り落ちて形がくずれている」。生物特有の現象なのです。これを知るまでは「あなたが大切にしていた十字架が壊れる=あなたの死」かなと思っていたんですが、ペンダントは無機物であり朽ち果てる事はないんですよね。改めて私が今得ているキーワードは「腐り落ちて形が崩れるもの=生物である」「怒り」「化け物になる」この3つ。ここからふたりの「あなた」と「君」を探します。

樹くんの中で朽ち果てたのは「唯一無二の親友」。しかも犯人に裁きが下る事はなかった。あなたを失った青年は世界を憎みあなたを殺した犯人への復讐を強く強く誓います。それほどまでにあなたの存在は大きく、樹くんにとっては希望そのものだった。祈ってはいるのに守ってはいない。そこから守るべき存在ではない「苦楽を共にしてきた親友」という答えにたどり着きました。ですが樹くんに戦士のような気高さはない。ふたりはスラム街で暮らす孤児同士だとしたら、乗り越えてきた苦楽は相当な物でしょうし、全てを捨て復讐のみに燃える姿も、「あなた」の簡単に揉み消された無残な死も想像が出来ます。樹くんはこの世界に絶望し、復讐の道に生きる意味を見出し始めます。

ライトのくだりで「やっと手に入れた」と書いたのを覚えていますか?きっと樹くんは「自ら化け物との契約を申し出た」と思うのです。こんなちっぽけな自分ひとりでは復讐を遂げる事も、ましてや「君」を守る事すら出来ない。そう考えた樹くんはあなたの復讐を灯火にして、「君」の手を引いて契約者を探し出します。

慎太郎くんの中で朽ち果てたのは「お兄ちゃん」。

お兄ちゃんは樹くんの「あなた」に当たる親友。その親友が弟として可愛がっていたのが慎太郎くんです。慎太郎くんからは壮絶な痛みや苦しみが感じられないんです。周りに翻弄され手を引かれるままに「そういうものなのか」と右に倣えで怒っているような。そう感じる理由は慎太郎くんに一環して無垢なイメージを抱くからでしょう。ライトを見る姿もどこか幼さを感じましたし、この曲の闇に塗れた世界に一番馴染んでいるように感じるのです。人間の心を汚す事無く、すんなりと化け物である事を受け入れているような。でも化け物になった。そこにはきっと彼なりの理由があったはずなんです。化け物になる必要があると思った。強くなりたいと思った。ひとりぼっちになった自分の手を引いてくれた「君」の力になれはしないだろうかと必死に考え、化け物になる事を決めた。幼いけれど純粋で無垢な愛。

樹くんにとっての「君」は「親友の形見でもある慎太郎」。

慎太郎にとっての「君」は「樹」。

 

北斗くんと高地くん

”WHERE IS HEAVEN?”。ふたりは天国を探しています。天国は死なないといけません。つまりふたりはこの世界に未練は無かった。

”天地を引き裂き”。そんな死にたがりのふたりの世界は一夜にして一変します。そうです。「あなた」を失う惨劇が起きるのです。「あなた」は青年には死んでほしくなかったわけです。自分の命を投げ打っても構わないと思うほどに。もし青年が死にたがっている事を知った上での行動なら「あなた」はたとえ恨まれたとしても青年には生きていてほしいと思っていた事になります。

”この身は深く貫かれ”。言葉通りの意味ではないかな、と思ってしまいました。言葉通り、青年の身は深く貫かれる。そこにあるのは無情な死。

それじゃあ「あなた」はどこに行ったの?となりますよね。青年の死に抗い惨劇の被害者となったのは「あなた」のはずです。でも青年は深く貫かれる。

北斗くんと高地くん。ふたりは互いに「青年」であり、それと同時に互いにとっての「あなた」なのです。

北斗くん。北斗くんはまるで虚無を眺めるような視線で「WHERE IS HEAVEN?」と呟きます。ただの死にたがりの悲しい青年がそこには居ました。しかし死にたがりの青年は自分が死にたいだけであって、周りの大切な人が死んでしまうのは耐えられないと思うのです。もしその大切な人に死が近づいているとしれば、きっと誰よりも強く自分の命をもってその人を救いたいと願うでしょう。

その大切な人が「あなた」です。北斗くんは「あなた」に振り下ろされたナイフの前にとっさに身を投げ出します。覚悟を決めるとかそんな暇も無く、でも「あなた」を失いたくない一身で、無償の愛を原動力にして、言葉の通り身を挺して「あなた」を救うのです。ナイフは身体を抉り、深く深く突き刺さります。そこから弾けた血潮は大切な「あなた」までもをどす黒く染めていく。ボロボロと涙を流す「あなた」を目にしてほんの少しだけ「死にたくないなぁ」なんて思ってしまう。でももうこの傷を塞ぐ前に、血は流れ切ってしまうだろう。その時、目の前に化け物が現れる。「生きたくはないか」そう問いかける化け物に北斗くんは「死にたくない」と小さく呟きます。

高地くん。高地くんの目は闇を宿しています。深い悲しみと終わる事のない懺悔の色です。それを私は「化け物になってでも救いたい人が居たが、その人を救った事が良かった事か分からないでいる」と解釈しました。もし高地くんが救った「あなた」が死にたがりの悲しい人だったなら、まだ生きているだけでなく死が遠のいた事実が「あなた」を苦しめているなら、瞳に宿る深い悲しみにも納得がいきます。また、サビでこちらを見つめる高地くんにはまた別の感情を抱きました。全てを悟り諦めたような灰色の瞳だと感じたのです。もし化け物になったばかりなら、そんな悟ったような瞳は出来ないと思うのです。ここで、高地くんはこの惨劇の夜に化け物になったわけではないのか?という疑問が生まれました。もし、高地くんにとってこの惨劇の夜が2度目だったとしたら。高地くんが化け物になった惨劇の夜はずっとずっと昔に起こっていたとしたら。その夜から人間として生きてはいたが、人間からすれば残酷なほどの、生きる事も死ぬ事もどちらでもいいと思えるほどの長い時間を生きていたとしたら。そんな高地くんを「あなた」は身を挺して救います。でもそれが無駄死にだったとしたら?それほど悲惨で酷い死はないでしょう。

高地くんは考えます。死にたがりの「あなた」にとって化け物になってでも生きる事が喜びとなるか、自分と同じ苦しみを抱え生きるならもうここで終わってしまう方が喜びとなるか。分からなかった高地くんは自分を庇い血を流す「あなた」へ問いかけます。死なないでと願い、「生きたくはないか」と。「あなた」は小さく「死にたくない」と呟く。高地くんは化け物として生きる事を決意します。自分は化け物である。純粋なものには劣るかも知れなくても、血の契約の元人ならざる力を与える事が出来る。高地くんは自分の手首を噛み千切り、「あなた」と血の契約を結びます。

朝になればこの惨劇は太陽に照らされ犯人探しが始まる。もし誰か目撃者が居ようものならふたりが化け物である事は白日の下に晒される。もうこの町には居られない。ふたりはその夜に逃げるように町を去ります。情報が振れまわればもう人間として生きる事は不可能でしょう。

北斗くんにとっての「あなた」は「人間として生きる高地」。「君」は「それでも自分を救ってくれた優しい高地」。

高地くんにとっての「あなた」は「人間の北斗」。「君」は「それでも一緒に生きてくれる優しい北斗」。

 

きょもくん

まず「真実が微笑む」。よく「女神が微笑むのはどっち?」とか聞きますよね。意味は「幸運が訪れる」「勝負に勝つ」です。そこから「真実が微笑む」の意味を考えるとすると、「真実に女神は微笑んでいる」でしょうか。真実と虚偽が勝負をしていたとして、女神は真実に軍配を上げている。つまり嘘がまかり通っている訳ではない。しかし「JUSTICEが無い」のです。「JUSTICE」とは「正義」「公平」。それが無い。そうなると真実は暴かれたものの正義は貫かれていない。

きょもくんはそんな理不尽な現状を嘆いているように見えます。でも、理不尽な事が目の前で起きているのなら自分で正義を下せばいい。しかしそれはしていない。それが出来ない理由があるのでしょうか。でも、このフレーズを歌うきょもくんからは「臆病さ」「小賢しさ」は感じません。目の前で起きている不幸をただ見つめる事しか出来ないような、胸を締め付けられる感覚になりなす。

目の前で起きている事の経緯を知ってるのに手を出す事は出来ない、そして何より、「真実が微笑んでいる事」を知っている。

そしてもうひとつ書いておきたい事があります。ライトの色です。きょもくんがソロで歌う時、赤いライトが身を潜めるのです。特に”I DON'T WANNA~”とひとりで歌う部分。今まで赤と青が混ざった複雑な色をしていたのに、きょもくんが歌い出した途端一気に青一色の世界になるのです。冒頭のソロでも、他の5人のターンでは少ないですが赤のライトが身体に当たっています。しかしきょもくんには一切当たっていない。サビが赤一色に染まるのを見ると、赤いライトは「絶望」「化け物」の象徴でしょうか。青を対極だとするなら、青いライトが象徴するのは「希望」。そして「聖なるもの」。

私は、きょもくんは天使ではないかな。と思うのです。空の上から、愚かで愛おしい人間を見守っていた。そしてお気に入りを見つけます。それが「あなた」です。簡単な事で傷付いてしまうけれど目が離せなくて、どうか穏やかに健やかに命を全うしてほしいと願っていました。しかし「あなた」は見るも無残に死に絶える。しかも犯人に正義の鉄槌が下る事は無かった。天使はそれに憤慨し、自ら裁きを下す事を決意します。しかし天使は神の指示に従う事しか出来ません。しかし神は首を横に振る。「あなた」を救う事も出来なかったのに、裁きを下す事も出来ないと言うのか。天使は深く絶望します。

天使はついに、下界へ降りる事を決意します。それは堕天を意味し、同時に化け物になる事を意味します。それほどまでに、天使は「あなた」を愛していた。そして堕天し化け物となった天使は「あなた」の忘れ形見を見つけます。「あなた」の復讐に燃える青年と彼に手を引かれる少年。その青年が人ならざる力を欲している事を知った天使は、彼と血の契約を結ぶのです。

きょもくんにとっての「君」は「愛しい人間」。

 

 

 

 

ここで今15,000字。

ここから一気に駆け抜けます。

 

 

1サビが終わってから、6人は身体に赤を宿します。

樹くんのラップ部分から互いの干渉が始まる印象なので、その前のジェシーくんの部分で6人は出会うとします。

WE'RE ”NO MORE PAIN” 鳴らせBRING DA NOIZ

 ”NO MORE PAIN”とわざわざ区切られているので「私たちは”痛みを憂う者”だ。」でしょうか。彼らは出会い、同じような境遇であると知り共闘関係になります。その集まりのチーム名みたいなものだと思っています。

「BRING DA NOIZ」。bringは「持ってくる、連れてくる」といった自分の手でここへ運ぶ、のような意味があります。noizはnoise、つまり「雑音」「不快な音」を意味します。チーム名を名乗っている=どこかアウェイな場所に居る、そこで「不快な音を連れてくる」。しかもそれを「鳴らせ」ですからね。

彼らは憎むべき敵を見つけたのではないでしょうか。それはきっと樹くんの復讐すべき相手。

 

(警)報鳴らせBURN IT UP BABY

(永)劫続くSEARCH LIGHT BABY

(TEA)CUPの中混じるBLACK & WHITE

曰くDO OR DIE どれもYOUR CHOICE

(TEEN)の頃捨ててきたDREAM

LIKE AN AMERICAN DREAM 今上がるぜSTEP

SO KEEP ON RUNNING ME & (YOU)

何も(得ぬ)ならば奪い去るMY GAME

 「BURN IT UP」は「燃やし尽くせ」。敵地に乗り込んでいるとして「警報を鳴らせ」となると小賢しい事はせず玄関を蹴破ってやってくるイメージを持ちます。それも起爆剤を持って。2行目もそうです。追いかけてくる相手を挑発し好戦的な態度を取っている。

teacupは「ちっぽけな事」みたいな意味も持っています。彼らが敵がと見なしたのが、「親友の死をないがしろにしたこの村全て」だとして、6人が出会うまでに幾らかの世界を見て死線を潜り抜けてきたのなら村ひとつ失くす位彼らにとってちっぽけな事でしょう。でもその村にも「善い人」「悪い人」がいるわけで。

「DO OR DIE」「動くか、死ぬか」。彼らは村人に突きつけます。死にたくないのなら逃げ出せ、俺の前に立つなら殺すと。自分で選択しろ。それを追いかけはしない、逆に立ちはだかれば誰だろうと容赦はしないと。

彼らはついに親友を死に追いやった組織に辿りつきます。そこを襲撃し、中心へ攻め入る事は虐げられていた樹くんにとって「あの日諦めた夢」であり「叶う可能性が限りなく無い願い」でしょう。

樹くんの中に「あなた」はずっと生きているし、復讐の炎も未だ尚燃え続けている。

しかし。この服襲撃のラストは悲しいものになる。「何も得ぬ」。即ち復讐は遂げられなかった。寿命で死んだか、誰かに殺されたか。犯人はもう既にこの世を去っていたのです。それを知った樹くんは「ならば」と言葉を続けます。

「奪い去るMY GAME」。私はこの「MY GAME」を「私のたくらみ」と訳します。樹くんは自分だけになったとしても、人々の命を奪い去る事を敢行しようとする。たとえ首謀者が死んでいたとして、親友の死を揉み消したこの村自体が許されるわけではない。行き場の無い復讐心は暴走してしまう。

 

4人は順番に光を差し出し樹くんを照らします。その優しさに険しい顔をしながらも、樹くんはしゃがみ込んでまで律儀に応えます。それまでは樹くんの心は怒ってはいても離れてはいなかった。でも「何も得ぬ」から大きく言葉を荒げ、更には無抵抗のジェシーくんに樹くんは後ろから殴りかかります。

そんな樹くんにジェシーくんは優しく語り掛けます。「ねえ、教えてよ」と。それを聞いた樹くんの拳はゆっくりと開いていく。暴走する樹を抱きしめるように、ジェシーくんは「その痛みを癒すのは涙をしまって復讐に燃える日々だけ?他には見つからない?」と問いかけます。樹くんの中の炎が全てを燃やす猛炎から、未来を照らす灯火となる事を願って。

 

それとはまた別に北斗くんは苦悩します。「痛みが無い」と雄叫びを上げるのです。ラップ部分が「戦争」だとすると、ここは北斗くんにとって「初めて死を意識した瞬間」でしょうか。もしかしたらそれこそ「死ぬ気」でいたのかも知れません。でも死ななかった。死ねなかった。北斗くんは本当の意味で「自分は死ねない存在である」と自覚します。「これほど苦しんでいるのに、神様はお慈悲をくださらないのですか?このまま渇いた毎日を生きていくしかないのですか?」ともがき苦しみ、首に爪を立てる。「痛みこそが生きている証である」。北斗くんはきっとそんな人間だった。彼にとって痛みの無い人生は、生死を自分の手で選択出来ない未来は大きな大きな苦しみなのでしょう。

 

きょもくんのソロ。

化け物に成り果てたとしても天使であった事は変わりません。ここはきっと天使の福音。「どうか迷わないで。他人の言葉に流されないで。」と語りかけます。そして「希望の痛み」です。彼らはもう痛みは感じられない。心の痛みを除いては。6人はそれぞれに「あなたの死という絶望」と「君という弱点」を持っています。痛みを感じなくなっても「あなた」の死を悼み哀しむ事が出来る。また会いたい、あの日に戻りたいと涙を流す事が出来る。「君」が健やかである事を願い胸を焦がす事が出来る。

彼らの痛みは「生きている実感」「淡く光る希望」。それを胸に刻み強く生きるようにと天使は言葉を紡ぐのです。

 

ラスサビ。

 6人は共闘関係から共存関係になります。「絶望」に満ちた世界で互いが互いを「化け物」として優しく照らす。万物を照らす光でなくとも、隣を照らす事位は出来る。古びた教会に隠れるようにひっそりと集まり、それでも6人は力強く生きていく事を誓うのです。

 

 

北斗と高地を襲った犯人やジェシーの母親を殺した化け物と対峙するのは、もう少し先のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はーーーーーー!!!!!!!!!お疲れ様でした~~~~~!!!!!今18,000字!!!ほんとに読んでくださってありがとうございました!!!!!何回も心折れたんじゃない??!!私めっちゃ折れた!!!!!!最後のポーズの意味めっちゃかんがえたんですけど全然思いつかなくて諦めました!!もし分かった方がいたら教えてください!!!

めっちゃしんどかったけど書ききると「やったぜ~~~!!!!」って気持ちになりますね!!!完全に二次創作のダークファンタジーになってしまいましたが!!!前回みたいなパフォーマンスの感想文書こうと思ったんですけどなんかこんな事になりました!!全方位にごめんなさい!!!!あと「頑張って」って言ってくださった方ありがとうございました(泣)おかげで完走できました~~~~北斗くん気持ち切らさずやり切ったよ~~~(涙を流して天を仰ぐ絵文字)

 

最後に6人のプロフィールまとめみたいなの書いておきます。私の妄想も入ってるのでそんなんいらんわい!とお思いの方はここまでで!どうもありがとうございました!!読んでくれてありがとう!!!大好きです!!!!!

 

 

 

 

 

ジェシー

人間と化け物の間に生まれた子。父親は強い力を持つ化け物であり常に力を狙われている存在なので、ジェシーは人間の世界で育った。心優しく少し臆病な子に育つ。自分が他の子と違う事は小さな頃から母親とふたりだけの秘密であった。母親を深く愛し、母もまたジェシーを深く愛していた。

そんな母親が何者かに殺されてしまう。それが化け物の仕業である事に気付いたジェシーは身の危険を感じ町を離れる。今まで力を使わず人間として生きてきたが、力を使わざるをえない事を悟る。力は強大。1番強い。

 

大我

元天使。天界から人間を観察するのが趣味だった。お気に入りの人間を見つけ人知れず見守っていたがその人間は不幸な死を遂げる。人間の愚かさを知った大我は化け物になってでも自らが裁きを下す事を決意する。神に憎悪を覚え堕天したわけではないので未だに神は信仰している。

お気に入りの人間の近くでよく見ていた顔を見つけ、それが力を欲している事を知り、力を与える。お気に入りを殺した張本人は天から降りたその日に殺した。元天使なので力もなかなかある。2番目に強い。

 

高地

静かな町にどこからかやってきた化け物。何百年もの間怪しまれないよう町を転々としている。素性は知れないもののにこやかで穏やかな性格で町には受け入れられていた。友達の居ない陰気な青年と仲良くする裏で化け物討伐などをしていて恨みを多く買っていた。

ある日高地に魔の手が襲い掛かり、それを庇った陰気な青年が瀕死の傷を負う。自分の血を分け青年を化け物にし生かす事には成功したが、果たして良かったのかと後悔し続けている。天使の次に長く生きている。3番目に強い。

 

スラムで生まれ育った。親は知らない。同じ境遇の人間と出会い、唯一無二の親友となる。親友が拾ってきた赤ん坊と暮らすようになったり、糞みたいな世界でもなんだかんだで楽しく暮らしていた。

ある日親友が何者かに殺されてしまう。容疑者はすぐに見つかったが、それが領主の息子と知り人々は口を噤んでしまう。それに憤慨した樹はひとりで領主の家を襲撃するが簡単に捕まってしまう。どうにか逃げ出せたがこのままでは復讐を遂げられなくなると考えた樹は親友の形見である少年を連れ村を飛び出す。旅の折心優しい化け物に出会い力を与えられる。4番目に強い。悪知恵は1番。

 

慎太郎

スラムで生まれ育った。赤ん坊の頃ふたりの少年に拾われすくすくと育つ。ふたりにくっついて行動するのが好きだが危険だからとあまりいい顔をされない。

ある日から兄がひとり帰ってこなくなる。それから笑顔が消えたもうひとりの兄を心配していたが、血まみれになって帰ってきた彼を見て全てを悟る。そのまま手を引かれ村を出る。合流したお兄さんの力を貰えば自分も兄の役に立てると考えた慎太郎は頼み込んで力を与えてもらう。人間にとって忌み嫌うものでありおぞましいものである自覚は無い。超能力的な不思議パワーだと思っている。5番目に強い。愛嬌は1番。

 

北斗

死にたがりの青年。たまたま出歩いていたら困っている青年と出会い、自分とは正反対なのに不思議と話が合う彼を北斗はいつしか親友だと思うようになる。

誰かが青年を探していると聞いた北斗は青年を探した。見つけたと思った矢先男が親友に切りかかるのが見え、気付いた時には血の海の真ん中に居た。自分を抱きとめる青年が手首を噛み千切り、その血が唇に押し当てられるのを消え入る意識の中で見ていた。騙していた青年を恨みながらも化け物である事を晒してでも生かしてくれた親友を大切に想っている。1番弱い。土壇場でちょっとだけ強い。

 

 

2万字いきました!!最早笑うしかない!!!!!ここまで読んでくれたあなた!!!!本当にありがとうございました!!!これでほんとに終わりです!!!!文章の締め方わかんねーーー!!!!お疲れ様でした!目労わってあげてね!!!!